SICF6 グランプリアーティスト展
塩保朋子 『はじまりから見つめること』
会期: 2005年10月28日(金) - 10月31日(月)
会場: ショウケース(スパイラル1F)
主催: 株式会社ワコールアートセンター
企画制作: スパイラル
緻密な切り絵に浮かび上がる原初の風景
2005年5月に開催したSICF6でグランプリを獲得した、塩保朋子の個展を開催しました。
塩保朋子がSICFに出展したのは、「acorn (どんぐり)」と題する、巨大な紙に施された緻密な切り絵です。植物の実が成長し、やがて幹となり葉を伸ばしていくイメージを、紙というシンプルな素材とカッターを用いた緻密な手作業により、力強く、繊細に表現しました。離れた場所から見ると、目立たないモノクロのスクリーンのように見えますが、作品に近づくと大きな紙一面が細密に切り出されている、緊張感あふれる作品本来の姿が現れます。その際立つ作業量と集中力が作品の美と完成度へと集積される独創性と、紙を切り取るという行為により平面作品が彫刻作品へと変貌するユニークさが審査員の高い評価を得ました。
本展では、モノクロで表現した「acorn」とは対照的に、鮮やかな色彩の透明なカラーフィルムに施された幅4.25m x 高さ3mの巨大な作品を展示しました。
作家コメント
海の中で細胞が分裂し、増殖していく様子とともに、木が成長して葉脈を伸ばし、やがて枯れていく姿を表現します。生のはじまりと営み。私たちはどこから来たのかを振り返り、現在欠けているものを再確認する。そこから新たにはじまる何かを感じてほしい
プロフィール
塩保朋子 (しおやす ともこ)
2004年 | 京都市立芸術大学美術学部卒業 |
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2003年 | ART CAMP in caso (大阪海岸通ギャラリーCASO) |
2004年 | 京都市立芸術大学作品展オリジン賞受賞 (大学内/京都) 企画展 (同時代ギャラリー/京都) incubation04 Invisible Psysical Scale (京都芸術センター) 「主張てん」(ギャラリーアーティスロング/京都) |
2005年 | 「京都美術工芸新鋭選抜展2005 新しい波」(京都文化博物館) 「P&E展」(アートコートギャラリー/大阪) |
Photo: Katsuhiro Ichikawa